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「目黒さんあらわる」弟子屈町 | 北海道

060715.jpg川湯温泉で虫にうなされながらも起きた朝。この日は私たちの北海道旅行の中でもっとも楽しい体験をした日でもあった。
早起きして露天風呂へ。きもちいい♪やっぱりお湯が良いと実感!お風呂の後は旅館で朝食をとって出かけた。旅館の前の通りは木彫りのお店がズラーっと並ぶ。アイヌの方達のお店らしい。その中の「目黒」というの店で木彫りを見ているとヒゲのおじさんが「これからどこに行くの?」と聞いてきた。「バスで屈斜路湖に行きます」と答えるとおじさんは眉間に皺を寄せて「屈斜路湖に行っても何もないよ、バスで行ったって帰って来るのも大変だよ」と言う。バスは一日に何本もないのだ。何にも考えてない私たちは「急いでないから平気です」と答えた。実際私たちは無免許なりにゆったりとしたスケジュールを組んでいたのだ。おじさんは木彫りのお店の他に民間のガイドの仕事もしている。***円(普段からこの値段でガイドしてるとも思えないので自粛)で摩周湖、屈斜路湖、美幌峠を車でガイドしてくれると言う。北海道で目的地までタクシーを使えばあっという間に5000円以上かかる事を考えるとかなり魅力的だ。けど、どうにも網走でのタクシーの運転手の下衆な感じを思い出してしまう。旦那さんとアイコンタクトの末お願いする事に(結局押しとお得に弱い)。するとワンピースにサンダルの私をジロジロ見て「その格好で行く?」と聞いてくる。「え?スニーカーのが良いですか」「いや、そのままでも、それなりの案内をするけど」とモゾモゾ。なんだかよくわからんけど、一旦旅館に戻り着替える事にした。不安だった私達は旅館の受付の若い兄ちゃんに「目黒ってお店のおじさんにガイドするって言われたんだけど、いままで問題とかなかったでしょうか?」「あー、あのおっちゃんよくウチのお客さんどっか連れてってくれるみたいっすよ。大丈夫!北海道は良い人ばっかりだから、安心してください!なんかあったら電話してください!いつでも助けに行きますから!」と力強く返事をされ、疑った私は恥ずかしくなったのだった。スニーカーと迷彩Tシャツとカーゴパンツに着替えてもう一度目黒さんを訪れると目黒さんは目を細くして「うん、いい格好になった」と笑ってくれた(笑)。

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天窓付きのバンに乗って摩周湖をめざす♪運転しながら植物や川湯の四季や動物の話など、楽しいガイドが続く。途中野生のきつねが車の前に出てきたので、写真を撮っておいで、と慣れた調子で言われた。目黒さんは自分の手からきつねにあめ玉を食べさせて「このきつねは人間にえさをもらう事を覚えてしまっているから、今年の冬は越せない」と言った。「かわいいと思うなら、えさをあげちゃいけない」とも。野生のきつねは車の前に出てきたりしないそう。しっぽがふさふさでかっこよかったけど、後に釧路で見たきつねはヨレヨレで薄汚れていてしっぽが細く、車を見ても逃げずにじっとえさを欲しがっていた。あのきつねもこうなるのかと考えると、とても切なかったよ。霧の摩周湖と言われるくらいなので、天気がよくても悪くても見えるかは運次第だと言う。第一展望台は駐車場でお金取られるので第三展望台に行くよ!と言われ、摩周湖に近づく中、ちらりと見えた摩周湖を「どう?今見えた?」といたずらっ子のように聞いてくる目黒さん。「見えた!」と小学生ばりに元気よく答える私たち。目黒さんは「じゃぁ車止めたら走ってね、本当にすぐ見えなくなるんだから」と楽しそうに言うのだった。で、単純な私たちは車から降りるとそれーっと走る。で、あの感動的な摩周湖を見たのだ。この世の物とは思えないほど、美しかった。北海道の自然は私のカメラなんかにはとてもじゃないがおさまり切らないのだった。みるみる間に霧が覆ってその姿を消してしまう。そしてまた霧が晴れる。生きているみたいに呼吸するみたいにくるくると美しく変貌しつづける。車で移動して変なトコで止まる。「ここからも摩周湖を見ておいで」と言われたものの、どうして良いかわからずふきのとうなどが生い茂る草の前でウロウロしてると、目黒さんが降りて来て「すすめない?」と言いながら、草むらの中(草むらと言ってもふきの葉などは私の背より高かったりするんだが)を分け入って行く。旦那さんと私もあわてて後ろに続く。すると、また違う角度から見える摩周湖が突然あらわれた。展望台から見た摩周湖も良かったけれど、草むらから見る摩周湖は格別。なるほど、ワンピースにサンダルではココには来れないな。目黒さんと一緒だと、虫も怖がらずに色々な所にどんどん入っていける気がした。なぜこの草むらから摩周湖を見たかと言えば、第一展望台のすぐそばだったのだ。展望台に止まればお金がかかるからね(笑)。
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美幌峠に向かう途中も車を止めて私達にふきの葉っぱを持たせて、写真を撮ってくれた。「うんうん、森の妖精みたいだ」と言ってくれ、アイデア満載(笑)。美幌峠からは屈斜路湖と真ん中に浮かぶ島が眼下に広がる。これまた絶景でシビれる。「あの島の名前はなんと言うんですか?」と聞くと「名前はない」と目黒さん(パンフレットには中島と書かれていたけど、だれもあの島の事を呼ぶ事がないんだろう...)。目黒さんが売店の中に入ったので一緒に入る。するとあげいもを私たちにくれた。「お金は?」と聞くと「兄さんがこの店の店長でくれたから、いいんだよ」と言われる。おいしかった〜♪あげいものお返しにと、ふりかけとまたたびを買った。チャリン。その後は屈斜路湖の観光場所や和琴半島のオヤコツ地獄へのお散歩。その間も草木の説明をしてくれる。そこら中に生えてる草は全部食べられるらしい。毒のあるものは北海道は少ないのだそう。「食べれなくなったらいつでも北海道においで」と何度も言ってくれたのもすごくうれしかった。
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最後は屈斜路湖から釧路川に流れるポイントに連れていってもらい、釣りをした。釣っているのはうぐいで、通常食べたりするものではないらしいし嫌われ者の魚のようだ。けれど、アイヌ民族はこの魚を食べているという。それというのも屈斜路湖の水は本当にキレイで澄み切っているので、川に流れる前のうぐいは汚れていないのでおさしみでも食べられるらしい。釣りが終わった後は目黒さんのお店に戻り、目黒さんがうぐいをさばいて出してくれた。正直旅館のお刺身なんかよりずっとおいしかったと思う。目黒さんの作った木彫りのコーヒーカップでコーヒーを飲み、目黒さんと奥さんと4人で話をした。ここらの土地は140坪で30万円だとか、自宅はふたりで手作りだとか、ずっとビニールシートの屋根だったけれど、つい2年前にトタンに替えた事などをおもしろおかしく話してくれるのだった。私は目黒さんの釣り竿を1本折ってしまったし、とても***円では申し訳ないと、多めにお金を払い、木彫りもコーヒーカップなど何点か購入した。とても素敵な1日だった。

この時に見た景色は本当に忘れたくない、すばらしいものだった。して目黒さんにまた会いたい!今度は目黒さんのガイドフルコースを是非頼もうと思う。ちなみに目黒さんはアイヌ民族ではない。けれど木彫りを40年続けているし、アイヌ人のお友達も多そうだ。もしかしたらアイヌ民族にあこがれているのかもしれない、とも思った。

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2006年07月15日 23:36に投稿されたエントリーのページです。

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